Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

何年か前の思い出

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何年か前の今頃は

イタリアに来て早◯年、実は一時期だけ日本で生活しており、
当時付き合っていた彼女(今の妻)とは遠距離だったわけです。

ある夜、電話越しで些細な喧嘩をしまして、
気晴らしに三脚を持って、スカイツリーを撮影しに行ったんですが、
撮影して落ち着いた後、彼女にご機嫌取りで撮影した写真を送ったんです。
ペンライトで文字なんて書いたりして。

・・・まぁ、何一つ伝わらなかったんですけどね。
その後、頭を地面にめり込ませるように謝りました。

 

あの時期は忙しかったです、そして不安ばかりの毎日でした。
自分の所在が落ち着かなかったし、
将来が見えているようで全く分からない方向に転がってましたし。
あれから早X年、今があることに感謝しますが、
同時にあの時あの場所がもう戻らないのを寂しくも思います。

スカイツリーとか、日本の観光地とか、もっとゆっくり撮影したいなぁ。

カタルーニャ情勢

ひとまずは情勢について、安心でしょうか。

ただスペイン政府は前首相を国家反逆容疑で捜査と息巻いているし、
どうしてこうも血気盛んな対応するんでしょうか。

独立というのがあまり賢い選択とは思えませんが、
こんな対応だと問題を先送りにしているのかな、と思います。

確かに初めから断固許すまじという姿勢を見せておいて、
素早く掌握するように動けた結果が、この平和的解決をリード出来たんですが、
亡命までした人間をわざわざ訴追したって、これ以上何もならない気が。

 

イタリアの話と一緒で、何がこの問題へと起因したのか、
またその原因をどう対処するか、をもっと考えるべきです。
所詮、政治家は政治家ですよね。
それもこれも、ヨーロッパ諸国が平和で先進的だから出来ることですよ。
日本が将来的にもこんな分裂をしないことを祈るばかりです。

カタルーニャとスペインはどこへ行くのか

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カタルーニャ情勢はどうなるんでしょうか

お題「今日の出来事」

カタルーニャが独立宣言を行いましたね。
直近のニュースを観ていると「やはり」という気持ちがあるのですが、
ついこないだまでを思うと、どうしても驚きを隠せません。

最近は無いですが、以前は仕事でちょくちょくバルセロナに行っていたので、
彼の地にも民族性があるという認識は持っていました。

ただ、私もここまで急に民族性が民族意識に変態するとは思っておりませんでした。
確かに歴史を追うと、既に住民多数賛成の自治憲章が2010年に違憲扱いされた事が、
当時までは2割程度だった独立志向を急激に拡大させたとのことですが、
本当についこないだまで、スペインであったことを享受していた場所です。

寧ろ、バスクの人たちの方が、民族意識という単語が合うと思っていました。
彼らはそもそも全く別言語*1を話すからか、
スペイン人ではなくバスク人だという民族意識が高く、
会う人会う人、バスクの物を沢山勧めてくれました。
でも別に、カタルーニャと同じで、独立を切望しているように、見えなかったです。
ヨーロッパは多民族国家、多言語国家だらけですから。

 

この違和感はどこから生まれてるんでしょうね。
個人的に、根拠もない単なる個人的な意見ですが、
民衆の不満があらぬ方向に、安直な方向にリードされているのかな、と思います。
ここでも。

先日記事に書いた、イタリア・ロンバルディア州ヴェネト州もそうです。
裕福と言われる地方の中で、職にありつけない若者や貧しい人たちが増えていて、
その彼らにしてみたら税金が高すぎるんですよ。
そんな高すぎる税金を払えど払えど、何で生活が豊かにならないのか、
毎日の不満って言わないけれど、結構あります。

でもそれって、実は今当たり前のように享受しているものをないがしろに考えてるんですよ。
実は我々は、国家に身体的な安全だけでなく、人権、個人的主権、全て守られていて、
それって国家が税収で成り立っているから出来ることであるわけで。
無いものを数えるだけでなく、当たり前にあるものも数える必要があります。

地方自治というのは、国家が大きければ大きいほど重要度が増していきますが、
でも国家が担うべきものが無くなるわけではありません。
一地方が独立国家となった時、果たしてそれらを継続して担うことが出来るのか。

 

さてさて、カタルーニャはこれから一体どうなるんでしょうか。
既に欧州連合カタルーニャの独立を認めない姿勢を示しています。
認めない、というだけで、何かしら介入する余地はあるんでしょう。

個人的にはスペインのここまでの強硬姿勢が謎です。
武力をチラつかせるのは下の下の策だと思うんですが。

カタルーニャはご自慢の経済力がどんどん衰退していくだけです。
スペインは万が一武力衝突になった際、世界からの批判は免れません。
このまま誰も妥協しようとしなければ、お互い損な状況でしかないはずです。
どうかもう一度お互いの行動を考え直してもらえると有り難いのですが。

 

今日は、バルセロナのモンジュイックの丘にある、
モンジュイック城に展示されている大砲に乗る海鳥の写真を。
悲しい事件が起きる前に、是非とも平和的な解決を頼みます。

*1:ラテン語やゲルマン、スラブ語族のインド・ヨーロッパ言語ですら無い。

カープとネットリテラシーの話

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今日はこれしかないでしょう

3) CS最終ステージのカープの弱さについて

お題「今日の出来事」

悲しいですが、セ・リーグ連覇したにも関わらず、
カープクライマックスシリーズで敗退となりました。

個人的に、4番の鈴木誠也選手、チーム内首位打者の安倍選手、
チーム内本塁打率トップのエルドレッド選手の3人が
怪我で離脱していたところは大きいとは思うんですが、
いかんせん、このクライマックスシリーズ含めて、今シーズンですから。
昔はクライマックスシリーズを夢見て、3位になれた時は下克上を見て来た訳で、
それが今首位に立ったからとか、10ゲーム差離しての独走だったからとか、
セ・リーグ連覇したからとか、あれこれ言うつもりは一切ございません。

勝ったベイスターズよ、アッパレです。

 

しかし、1〜3番のタナキクマルは元より、9月あれだけ好調だった松山選手も、
そして代打で後半戦いいところで打ってた岩本選手も、みーんなからっきしでした。
打線は水物、と言いますが、試合期間が空いて、こうにも弱体化するんですね。

投手陣もそもそもが若くて不安定で、シーズンはなんとかカバーし合ってましたが、
最後の最後で疲労困憊だったんでしょう。
やっぱりマエケン、黒田がいなくなった穴は、見えないようで非常に大きいんです。
マエケン、帰って来てくれんかなぁ。

でも若いというのは逆に言えば、来シーズン以降が楽しみです。
数年前まで、毎年来シーズン以降の戦力だけを楽しみにする期間が長かったんです。
それよりもこの楽しみがより現実的な現在ですもの。
まだまだ、楽しみなことばかりです。

 

実は今回、去年の日本シリーズほど戦力に過信していなかったのもあり、
私個人としては、ショックはそこまで大きくないです。
(まさかホームで4連敗と言う事実は悲しいですが。)
完全にカープの力負けでした。
赤一色のアウェイの環境で、最高の戦い方を見せてくれたベイスターズを、
しっかり拍手で讃えたいと思います。

 

ただ一つ残念だったのは。
最近カープが何故か強いチーム、ファンが多いチーム扱いされてるせいか、
このシリーズ敗退を喜んで、カープざまあみろ、とコメント書く輩が結構いたこと。

ネットリテラシーの無い阿呆を相手にすることは無いのですが、
自分に置き換えてみた時にどう思うのか。

貴方の好きなものが貶されると悲しいし腹が立つように、
他の人だって好きなものを貶されると悲しいし腹が立ちます。

強いチームで調子付いているように見えて目に余るかもしれません。
カープファンの中には、数年前まで他のチームに思っていたかもしれません。
でも悲しんでいる人たちに、侮蔑の言葉を投げつけるようなのは、
スポーツを楽しむような教養のある人間のやることではありません。

貴方は自らネットリテラシーが無いと叫んでいます。
折角叫ぶんだったら、ご自身を名乗ってから叫んでもらえませんか。

 

 

どうでもいいですが、今日の写真はクレタ島イラフォニシビーチです。
ビーチの青と砂に混じった赤の貝殻が綺麗な彩りを見せてくれます。

イタリア北部のレファレンダム(州民投票)について

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多忙を理由にサボるのは実はいいわけな訳で

色々書きたい事がちょくちょくあります。
まずはこちら。

1) イタリア北部2州のレファレンダム

全く知られていないですが、イタリアのミラノがあるロンバルディア州と、
ヴェネツィアがあるヴェネト州で昨日日曜日、レファレンダム(州民投票)がありました。
あの今世の中を騒がしているスペインとカタルーニャみたいなもんです。

ただそもそもの違いが大きく2つ。
こちらの投票はカタルーニャのような独立要求ではなく、自治権拡大要求だということ、
あともう一つは、全く法的に意味のないということです。
上記記事にも2回書かれています。

「法的拘束力を持たない」「法的拘束力はなく」

一体何故行った、北部同盟・・・

イタリアは既に憲法で、
各州が中央政府と自治体の管轄について交渉する余地を認めており、
この投票は民意を盾に中央政府と交渉したい思惑からのようです。

なので投票率はイタリアにしては低め、両州でも50%前後。
当然賛成票は95%以上。
そりゃそうですよ、みんな自分たちが払っている税金が、
より自分たちの周りのインフラに繋がるのであれば大歓迎でしょう。
ほんと、何故行った、北部同盟、です。

 

私も今回初めて知ったのですが、今でこそ便利な世の中になりましたが、
イタリアは20世紀中頃は、交通やインフラ網の差から、
各州の自治権に差があったようです。
(要は都市部は中央政府がしっかり管轄、山間部や島嶼部では緩い、みたいな。)

なのでシチリアみたいな南部の島々は中央政府からの税収が甘く、
その割に中央政府から公的支援額が大きかったのです。
まぁ日本だったら当然だと思いますが、
シチリアなんてかの有名なマフィアのあるところです。
噂では公的支出額がロンバルディアの5倍も嵩んでいるとか。

そんなんだから北部の連中は、
独立はしないけど、今のままじゃ払ってる税金を享受した気がしないから、
自治権拡大して自分達の使いたいように使えるお金よこせっていう話です。
でも結局、北部にお金が行ったとしても、
結局イタリア国家として「必要とされている支出」を賄える額は変わらない、
その収入はどこから補填するのか。
中央政府は当然税徴収を増やしますよね。
結局、税がまた高くなって、豊かで真面目に納税する北部は、
あれ、高くなった分払ってる税金を享受した気がしないぞ、となるわけです。

本当の問題は「必要とされている支出」を各州に不透明なものがないか、
もっと切り込んでいくのが一番良いんです。
まぁ、北部だろうと政治屋政治屋なんですよねー
みなさん、イタリアの政治を見てると、
過度で醜い自民おろしが酷い日本の政治なんて、いやー可愛いもんですよ(笑)

 

ちなみにコレ、全部私のスーパーデキるイタリア人同僚の受け売りです。
なるほどなぁ、と感心したので、情報の整理がてらに書きました。

 

もう一つ、オチをつけておくと、
今回の投票は先進的にもタブレットを使用したのですが、
この整備に23万ユーロ*1投資したんですって。

にも関わらず、一部のタブレットが機能しなかったらしく、
開票作業、撤収作業を行う人たちからは大ブーイング。余計な仕事が増えたって。

こんなんでもイタリア北部。
南部に住む日本人からは「ミラノはイタリアじゃない(いい意味で)」と言われてる、
まだマシな地域ですよ、まったく。

ちなみにビックリしたのが、
日本と同じくイタリアでも公立小学校が投票所になっていますが、
投票は23時までなので、自然撤収作業が月曜日となり、
月曜日は投票所にされてる学校の先生、生徒達はお休みです。
それで教員はサラリーが安いって文句つけてるんだもん、一体何故なのか。

 

さて、次回以降になりますが、また下記について書きます。
ではでは。

2) 最近の忙しさについて

3)  CS最終ステージのカープの弱さについて

 

おっと、ちなみに写真はトスカーナ州です、北部も南部も一切関係ありません。

*1:約3,000万円くらい

バローロのワイン畑

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バローロのワイン畑から

金曜日は友人カップルの結婚式で、ピエモンテに行っていました。
ピエモンテでもアルバ周辺は、白トリュフとワインが美味しい地域です。
イタリアワインの王様であるバローロ / Baroloは、
その名前を冠したバローロをはじめとした11カ所のコムーネで生産された、
ネッビオーロ種を使ったワインです。
(この11ヶ所が、これまた畑の区画に分かれて沢山の名前を生み出すんですが。)

写真はバローロからラ・モッラに向かう丘陵で撮ったブドウ畑の写真です。

秋、というのはイタリアでも色をつける季節で、
それまでの景色に彩りをつけて、一気にハーベストの季節感を出してくれます。
今年も美味しいワインが出来ると良いのですが。