Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

エジプトの子ども達

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エジプトの思い出

一昨年のクリスマスはエジプトで過ごしていました。実はまだ独身で、駐在独身男3人がとりあえずどこで過ごすか考えて思いついた行き先がエジプトや中東で、中東情勢がまだ今に比べてちょいとマシだった時期でした。

色々な意見があると思いますが、私は出来るならもう2度とエジプトに行きたくない、と思っています。別に盗難に遭ったとか、殺人現場を見たとか、テロに遭ったとか、そんな悪い事に遭ってはいません。何よりも嫌だったのは、当たり前のように観光客にたかってくる連中でした。

行く先々でとにかくお金をせびってくる。ラクダ乗らないか、これ買わないか、は別にまだ良い。タクシーがチップ寄越せ、ラクダの写真撮ったなら金寄越せ、まだ辛うじて理解する。でもそれ以上に、所謂観光地や博物館で働いている人間が、写真禁止だけど金くれれば目を瞑ってやる、と言ってくる人間が多かった。多かったいうよりも、毎回、だった。RPGの村人かのように、目を合わせば定例文、〇〇村へようこそ、でもなく、ただ、ただ、金、金、金、金、金。

ある意味、金を払えばある程度何でも出来てしまうのだけれど、大きいお札しかないと困る事ばかり。お釣りなんてくれる訳がない。今、殆どお金を持ってないよ、ウソつけ、お前さっき別の観光客からお金貰ってたじゃないか。

必要経費だと割り切ってお金を渡せば良かったんだろう。前以ってお金を崩しておけば良かったんだろう。ただどうしても渡せなかった自分がいました。そもそもヨーロッパにいる時ですら路上で物はなるべく買いません。金は天下の回り物、真面目に仕事している人は仕事で得た給料で納税しているわけで、そういった人達をバカにするようなお金はすごく失礼だと思う。

 

でも、そんな中でも、子ども達だけはすごく可愛かった。人懐っこかった。私が何から何までカメラに収めていると興味津々に、カメラ見せてとか、写真撮ってとか。とにかく首にカメラをぶら下げた私にとにかく声をかけてくる。少年も、少女も。

最初のうちは私も警戒していたが、それが純真無垢の気持ちから来るものだと気付いてから、積極的に彼らの写真を撮るようにしていた。私を見る度に手を上げて、拙い英語で挨拶してくれる。こっちも手を振って返してみる。喜ぶ少年達、はしゃぐ少年少女、ちょっと照れ臭そうな少女達。ちょっとしたヒーローみたい。

ひょっとして後で送って欲しいのかな、と思ってメールアドレスを聞いても、ただ撮って欲しいんだ、と言うだけ。何故なのか分からない。流行っているのかな、それともそういう子ども達なのかな。

願わくば子ども達がこのまま育っていて欲しいと思います。写真のように、こんなに笑顔が弾けた子ども達が、新しい世界を明るくして欲しいと思います。どんな困難に遭っても、その笑顔があれば誰かが手を差し伸べてくれるはず。理想論ですみません。

ちなみに右側に写っている奴は、群がってくる子ども達を制しているので、遠足に引率で来た先生かと思いきや、子ども達と別れた後も私についてきて、写真を撮ってやるからカメラを貸しな、と言ってきました。一瞥もくれず速やかに別の場所へ移動した。