Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたりが、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

イタリアは夏休み

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イタリアは夏休み気分

イタリアは8月2週目くらいになるとバカンス感が増します。
この時期は、とにかく店が休む、休む。
自分がなまじ仕事していると、お昼を取る場所探しに難儀します。
ついでに、ちょっとオフィス周りを散歩してみました。

よく思うのが、イタリア人ってほんと電話してますよね。
街ゆく人々も、結構携帯で電話かけてます。
車の中でも、平気で電話。ハンズフリーの買えばいいのに。

そんなイタリアですが、やっぱりバカンスで人々が海の方に行くと、
街を歩いてる人も少ないです、静かです。
まるで、町から人が消えて、全く別の、寂れた町になってしまったみたい。

今週のお題「ちょっとコワい話」

今週のお題「ちょっとコワい話」

そういえば夏の静けさで、今週のお題に関係しそうな話が。
初めてイタリアに(駐在で)来た時の話です。

私が初めてイタリアに来たのは、8月中旬の事でした。
本来は10月頭からの駐在だったのが、引き継ぎも含めて早めに来てくれ、
とせっつかれたため、お盆休み明けすぐの8月中旬に設定したんです。

やっぱり海外駐在前というと、引っ越し準備、仕事の引き継ぎ、挨拶等、
行く前がとにかく忙しく、イタリアへ行った後をあまり考えていませんでした。
とりあえず、着いてすぐ長期宿泊するホテルは決まっているから、
行けば何とかなる、と思っていました、ああ私も日本人。
不足品は現地で買えばいいやー、と。

 

しかし考えは甘かった。
当時、長期滞在用のホテルがミラノ郊外でして、
ホテルへ日曜の午前中に着いたはいいものの、ミラノ観光するまでの体力はない。
ただ、機内で寝ていて眠くなかったのもあって、
昼ごはんくらいを食べたい、そうだ、近くの町へ出てみようと考えたんです。
フロントに地図をもらい、レストランやスーパーの場所も聞き、
さあ、いざ冒険に出掛けよう!

 

 

人っ子一人いねぇ・・・

 

私の初めてのイタリアの町は、文字通りゴーストタウンでした。
当然お店なんてやってる訳もなく、バール*1すら閉まっている有様。
そんな中、今でも鮮明に覚えていますが、町の中心地のホコ天通りの入口で、
何故かおじいちゃんだけ一人ベンチに座って、しかもこっちを見ている。
じーーーーっと見ている。

じーーーーーっと。

 

雲一つない青空、風もなく、太陽はきついくらいの日差し、
町の中心部、車が入れないような作りの大通り、
人の気配がないどころか、セミがいない*2ので、夏なのに全くの無音。
でも、じいちゃんだけ、こっちを見てる。
文章で書くのは難しいんですが、ほんと身震いしたんです。
ここはゴーストタウンで、入っちゃいけない危ない地区なのかな、と。

 

いや、でも今よく考えたら、そりゃじいちゃんも、ビックリですよ。
何でこんな町に、しかもバカンスで何もない誰もいない時期に、
およそ住人らしくないのがいるんだって。
警戒しますよ、私だって今は、こいつ泥棒じゃないかって思うもの。

 

まぁ、じいちゃんの視線をかわしながら、何もないながら町をぶらぶらして、
やっぱりどこも開いてないって分かったので、ホテルに帰ろうと思いました。

これは私のクセなんですが、
私は散歩する時、来た道とはなるべく違うルートで帰りたいんです。
この時も、地図はあるし、まだ体力あるし、
違うルートも地図を見るとそんなに距離が変わらなかったんで、
また少し、さっき萎えかけた冒険心がムクムクと顔を出しました。

 

でもそれがいけなかった。
そもそもホテルで渡された地図が、よくある簡略版の地図で、
町の中心地以外は縮尺がめちゃくちゃ。
違うルートは、かなりの遠回りのルートだったんです。

その上、このルート、どんどん進んで行っても、
右側にはちょっとした森が生い茂っていて、
左側には、変電所みたいな、人もいないような建物ばかりが続いている。
その中をひたすら歩いていく。
おかしいな、と道の名前を確認しても、地図通りの道。

もう少し奥に進んで行くと、
左側には綺麗な塀に囲まれている場所がありました。
どんな大きい建物なんだろうと思って、さらにどんどん進んで行って、
その塀の入口になったところで、ようやく分かったんです。

 

 

墓地でした。

 

もちろん、ここも人っ子一人いない、動物の気配すら感じない、
青空と太陽は影を作らぬよう照っているのに、だだっ広い墓地の中、だーれもいない。

なのに・・・
なのに、門の隣にある墓標みたいなのには、ちゃんと蝋燭が灯っている
何個も、何個も、何個も。
何で?何で?何で?

本当、白昼夢かと思いました。
さすがに、さっきより怖く感じたので、自然と歩みが早歩きになりました。
早く、早くホテルに帰りたい、もしくはさっき通った道に戻りたいって。

そうすると、遠巻きに果物売りの屋台(車)が見えるではありませんか。
その頃には、とりあえず誰かしら人間がいて欲しいって感じていたんです。
で、絶対に屋台なら人がいるはず、あまつさえ屋台車なんだから。
運転してきた人間がいるはず、絶対にいるはず。

 

まぁ、だーれもいなかったんですけどね。

あとはダッシュした記憶はあれど、どうやって帰ったのか覚えていません。

 

もちろん、そんなゴーストタウンは、週を経るごとに人々の活気を取り戻し、
9月に入る頃には、町の大通りは人々で溢れかえっていました。
そもそも大通りは綺麗なまんまなんだから、危険な地域って事はないんですよね(笑)
墓地と森の間の道は、相変わらず人のいない道ですが、
町の中心地に向かう道なので、車通りも結構ある道です。

最初に書いたようにイタリアの、特にミラノはバカンスシーズンになると、
本当に文字通り、人が街から消えます。
残っている身としては、渋滞も減るし、今では最高のシーズンですけどねー

 

夜、暗闇が怖くって逃げる、なんて事は誰しもが経験あると思います。
でも真昼間に、本来人がいるはずの町に人がいなくて、
さらに静けさが余計不気味さを増長して、怖くなって逃げるなんて経験は、
なかなか無いと思います。

そんな私の、ちょっとコワい話でした。

 

一応、一年後の夏に撮った、その町の中心地です。
皆さんのご想像のお助けになれば。

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サロンノ / Saronnoという、杏のお酒アマレットで有名な町です。
DISARONNO*3というブランドで有名ですよね。
日本での輸入元はサントリー

*1:Bar。コーヒーを飲むようなスポットで、イタリアには沢山ある。

*2:いないわけじゃないんですが、少ない上に非常に静かです。

*3:Di Saronnno = Of Saronno 「サロンノの」という意味です。