Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたりが、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

弦楽器職人の伊藤亮介さん

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楽器職人の工房

アコースティックギターを修理中です。

なんだか弾き辛さをずっと感じておりましたが、
他のアコギと弾き比べていたら、弦高が高くなっていた事に気付かされました。
楽器屋でお願いするのも良かったんですが、ちょうどクレモナに行く用事があり、
知り合いの弦楽器職人である、伊藤亮介さんにお願いしました。

さて、軽々しくお願いしたはいいものの、後々伊藤さんから連絡があり、
当初考えていたネックの反りだけではなくて、ブリッジも剥がれていたり、
そのブリッジが一筋縄でいかず外科的な工具も必要みたいで。
確かに私のギターはちょっと特殊なんです、少し時間がかかりそう。。。

本当に伊藤さん、軽々しくお願いして申し訳ないです。
今度お土産持っていかないと、ですね。

伊藤亮介さん

ところでこの伊藤亮介さん、弦楽器職人の中でも特に変わった方で、
バイオリンをメインで製作されているものの、それ以外には、
ギター、バンジョーマンドリン、ブズーキ*1、ハーディガーディ*2
ニッケルハルパ*3などなど、名前も初めて聞くような楽器も製作されています。

一般的に名前も初めて聞くような楽器は、当然部品も手に入らず、
正確さが必要なペグみたいな金物数点を除き、
殆ど全て一からご自身で作られているそうです。
そういえば、バンジョーに桜の掘り込みしてあったなぁ。

勿論、本業のバイオリンでも数々の賞を取られています。
昨年末には、ヴィオラですが、マルタでの国際製作コンクールで、
Best Playabilityな楽器として賞を取られております。
ご本人は、謙遜されていて、特に話してくださらないんですけどね。
(あと飄々としたお笑い芸人みたいな方なので、それ以外の話題が楽しすぎて。)

 

ちなみにホームページは下記の通り。

 

 

伊藤亮介 RYOUSUKE Ito|製作家紹介|名古屋市南区の楽器修理工房「楽器の青ラボ」

 

今日の写真はその伊藤さんの工房。
机の上にあるのはニッケルハルパスウェーデンの民族楽器だそうです。
このニッケルハルパなんて楽器、日本ではそもそも知名度がない上に、
押弦して鳴らす弦以外にも、共鳴弦*4はあるわ、ドローン弦*5はあるわ、 
押弦する為のタンジェント(鍵盤)はあるわ、部品、部品、部品だらけ。
日本人で製作・修理できるのは片手の指でも余るほど。

写真の楽器は完成しているそうですが、
まだこの楽器に合うケースを作る為の部品が届いておらず、
ご依頼主の方へお渡し出来てないそうです。

ちなみに見た目はバイオリンに似てますが、本来はもっと雑みたいですね。
もちろん伊藤さんも伝統的な形は作れるのですが、やっぱりバイオリン職人らしく、
ヘッドやボディーにクラシック楽器の美しさを取り入れています。

もし新しい民族楽器をお探しなら、伊藤亮介さんに依頼されてみては如何でしょうか。

*1:ギリシャの民族楽器ブズーキ - Wikipedia/伊藤さん元々はアイルランドでキャリアを始められたので、アイリッシュ・ブズーキも作れます。

*2:弦楽器なのにハンドルを回して弦を弾き、押弦はタンジェントという鍵盤で押さえる楽器ハーディ・ガーディ - Wikipedia

*3:スウェーデンの民族楽器、押弦は指ではなくタンジェントニッケルハルパ - Wikipedia

*4:押弦せず、共鳴する事で音の厚みを増して豪華にしてくれる弦。

*5:低音弦で押弦しない、ただひたすら同じ音を鳴らしている弦。民族楽器らしい音になります。