Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

イタリア・テレビ税のお話

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 Canon EOS Kiss X6i  f11.0  77mm 1/320s ISO100

 

今日の場所

今日の場所はヴェローナ / Verona。
知っている人は知っているかと思いますが、ロミオとジュリエットの街です。
正確には、シェイクスピアの元の話となったロミオとジュリエッタの舞台が、
この街でした。

イタリアに来る前の僕のような、イタリア都市に興味ない人に言うと、
ミラノヴェネチアの間、ちょっとヴェネチアよりの場所に位置します。
ここの西隣にある、北に行く高速ちょいと走れば、
オーストリアまで行けます、そんな場所。

写真は、ヴェローナのメインストリートというべき
ジュゼッペ・マッツィーニ通り / Via Giuseppe Mazziniを
歩いた途中にある郵便ポストです。
上にジュリエッタの家への道案内を冠すこのポストは、
欧州各地のポストを趣味で撮ってる私のお気に入りでもあります。

イタリア・テレビ税

写真とは関係なく、こないだ家のすぐ近くの郵便局に行ってきました。
テレビ税免除の申請用紙を出すためです。

日本のNHK / 日本放送協会然り、
イタリアにもRAI /Radiotelevisione Italiana(イタリア放送協会
という公共放送局があります。
公共放送局なので、収入源も似たようなもので、
受信料を国民から徴収するという収入(+広告収入も少しあります。)なので、
受信料不払いもこれまた似たようなもの。

問題はこの不払いの受信料が30%にも上るという点です。
昨年、ついにこのアンタッチャブルにメスを入れることになり、
政府が受信料を年間113.50ユーロから110ユーロに下げる代わりに、
電気代と一括徴収することになりました。

www.nhk.or.jp

当然、我々みたいに
ガチでテレビすら持たず見すらしない世帯にとってみれば、たまったモンじゃない。
そんな世帯向けに、申請すれば110ユーロ1年間免除という救済措置がある、
これが今回紹介する、テレビ税の免除、というわけです。

免除申請書の書き方

www.agenziaentrate.gov.it

上記サイトの、一番上、
Contribuenti con utenza elettrica per uso domestico residenziale
というのが今回の話題。
Modello(フォーム)とInstruzioni(インストラクション)と2種あり、
当然、申請はModelloの方になります。

Modelloの2ページ目から記載します。
実際の申請用紙の中を一つ一つ注釈付けてみます。

1) Dati del dichiarante / 申請者データ・・・氏名、出生日、出生地、Codice Fiscale
2) in qualità di erede di / 相続人データ・・・上記
3) Impegno alla presentazione telematica / オンライン業者・・・Codice Fiscale、申請日、業者署名
4) Quadri compilati / 申請タイプ・・・Quadro AかQuadro Bを選びます。
5) Firma del dichiarante / 申請者サイン・・・申請日、署名

これらが申請書の最初のページになりますが、基本的に1)と4)と5)しか記入しません。2)のerede / 相続人って、いるんでしょうか?? 3)に関しては、後述の通り、ほぼ郵送になるのでこれも無視。オンライン業者が友人の場合、使いそうですね。

4) のQuadroのタイプですが、これで次のページが変わります。そもそも、両者の意味は下記の通りです。
Quadro A・・・TVやTV放送を受信する類のモノを一切持っていません、という人
Quadro B・・・電気代請求に何か間違いがあったという人、別荘などセカンドハウスの人

Quadro Aの場合、次のページはDichiarazioneの種類にチェックを入れる欄が二つあります。このイタリア語文章が長文で非常に分かりづらく、二つあるチェックボックスを仮に(上)と(下)と分けた場合、下記の意味となります。

(上)は、過去今まで及び、今後も(少なくとも今年中は)テレビを持たない人。家族含む。

(下)は、今までテレビを持ってたけど、今後は(今年中は)テレビを持たない人。家族含む。

また、Dichiarazione di variazione dei presupposti / もし既にテレビを持つ予定がある場合、日程を記載します。

Quadro Bも同様ですが、選択肢がないながらもチェックボックス入れるのと、もしテレビを持つ場合の予定日を記載します。

これらを全て記入すれば完了です。おっと、必ず最後のページの右上に自分のCodice Fiscaleは記入してください。

申請方法、申請期間

申請方法はCartacea / 紙での提出(つまり郵送)か、Telematica / 電子提出(オンライン申請)のどちらかになります。前者は上記Modelloを埋めて郵送するだけ。後者は、どうやらオンライン業者のことのため、結局個人でやろうとすると郵送しか方法はないようです。

尚、期間ですが、昨年末に法案が通ったため、今年2016年はCartacea 4/30までの郵送か、Telematica 5月10日までの申請になります。なのでまだやられてない方は、今年の分は急いでください。

この後は2016年下期のみは5月1日から6月30日までの間まで。来年2017年から、通年での申請は前年7月1日から1月31日まで。下期のみの申請は2月1日から6月30日まで、となっているようです。

郵便局での出し方

こういう法的な申請用紙は、出した/出してない、いつ出した等が問題になるので、必ず忘れずに下記と一緒に送るようにしましょう。

Raccomandata / 送付証・・・送付した証明書。送付にかかった金額も印字される。
Ricevuta di ritorno / 返却受領証・・・相手先が受領後、受領証が返却される。

郵便局に入り次第、郵便局員の人たちに上記二つ頂戴、と言ってみましょう。運が良ければ、こういうお役所仕事の人間でも親切なヤツはお節介を焼いてくれます。尚、イタリア国内宛発送と、海外宛発送と紙が違うので、気をつけて。

今回の宛先は、下記になります。

宛先:Agenzia delle Entrate - Ufficio di Torino 1, S.A.T. (Sportello abbonamenti TV 略)
住所:Casella Postale 22, 10121, Torino(TO)

発送しちまえば、こっちのもんです。必ず上記二つを保管して、もし電気代の請求書に今回の受信料が入っていたら、Enelに勇み足で文句を言いに行きましょう。

今日のBGM

Motion City Soundtrack "This Is For Real"