Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

Laplandの森とFinlandia

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Laplandの森

ラップランドの風景です。
長い冬の間は、こんな荒涼とした、でもファンタジックな景色が延々と続いています。運が良ければ、オーロラが空で踊ります。
 
この夜、インストラクターとツアーのメンバーと一緒に、ひたすらスノーモービルで走り(私は運転音痴なので、ペアを組んだフィンランド人男性にほとんど運転してもらいました)、人里を離れた森の中へずんずん入って行きました。迷ったらおしまいになりそうな迷宮です。
 
スノーモービルのライトを消すと、あたりには一切光がなく、すぐ隣にいる人の姿も見えない。動物の気配もないので、物音は一切聞こえない。
視覚と聴覚をなくし、自然界の真の闇の中で佇んでいました。
 

今日の一曲

大自然の風景には、クラシック音楽が一番合うと思います。
 
この景色に合う曲はいろいろあると思うのですが…
やはり交響詩フィンランディアを選びたい。
 
 
これは、19世紀末・ロシア帝国政権下のフィンランドで発表され、ロシア政権に演奏禁止された有名な曲。当時の副題はフィンランドは目覚める」で、国を代表する作曲家シベリウスの祖国への愛国心が爆発しています。
 
今でこそ平和なイメージのフィンランドですが、大国ロシアとスウェーデンに挟まれ、過酷な歴史を歩んでいる国なんですよね。
 
わりと弾きやすく、金管が派手なので、オケでは定番人気のレパートリー。
中間部のメロディーは、キリスト教系の学校に通った人は、礼拝で讃美歌「やすかれわがこころよ」として一度は歌ったことがあるはずです(私もその一人です)。なので、この曲を聴くと、毎朝のように聖書賛美歌を抱えてチャペルに向かい、オケの部活に放課後励んだ学生時代も鮮やかに思い出します。
 
この動画からもわかるように、「フィンランディア」は、今もフィンランド第二国歌として愛されているようです。作曲家やその時代の人々の心情を思うと、涙なくして聴けない名曲だと思います。