Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

イタリア北部のレファレンダム(州民投票)について

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多忙を理由にサボるのは実はいいわけな訳で

色々書きたい事がちょくちょくあります。
まずはこちら。

1) イタリア北部2州のレファレンダム

全く知られていないですが、イタリアのミラノがあるロンバルディア州と、
ヴェネツィアがあるヴェネト州で昨日日曜日、レファレンダム(州民投票)がありました。
あの今世の中を騒がしているスペインとカタルーニャみたいなもんです。

ただそもそもの違いが大きく2つ。
こちらの投票はカタルーニャのような独立要求ではなく、自治権拡大要求だということ、
あともう一つは、全く法的に意味のないということです。
上記記事にも2回書かれています。

「法的拘束力を持たない」「法的拘束力はなく」

一体何故行った、北部同盟・・・

イタリアは既に憲法で、
各州が中央政府と自治体の管轄について交渉する余地を認めており、
この投票は民意を盾に中央政府と交渉したい思惑からのようです。

なので投票率はイタリアにしては低め、両州でも50%前後。
当然賛成票は95%以上。
そりゃそうですよ、みんな自分たちが払っている税金が、
より自分たちの周りのインフラに繋がるのであれば大歓迎でしょう。
ほんと、何故行った、北部同盟、です。

 

私も今回初めて知ったのですが、今でこそ便利な世の中になりましたが、
イタリアは20世紀中頃は、交通やインフラ網の差から、
各州の自治権に差があったようです。
(要は都市部は中央政府がしっかり管轄、山間部や島嶼部では緩い、みたいな。)

なのでシチリアみたいな南部の島々は中央政府からの税収が甘く、
その割に中央政府から公的支援額が大きかったのです。
まぁ日本だったら当然だと思いますが、
シチリアなんてかの有名なマフィアのあるところです。
噂では公的支出額がロンバルディアの5倍も嵩んでいるとか。

そんなんだから北部の連中は、
独立はしないけど、今のままじゃ払ってる税金を享受した気がしないから、
自治権拡大して自分達の使いたいように使えるお金よこせっていう話です。
でも結局、北部にお金が行ったとしても、
結局イタリア国家として「必要とされている支出」を賄える額は変わらない、
その収入はどこから補填するのか。
中央政府は当然税徴収を増やしますよね。
結局、税がまた高くなって、豊かで真面目に納税する北部は、
あれ、高くなった分払ってる税金を享受した気がしないぞ、となるわけです。

本当の問題は「必要とされている支出」を各州に不透明なものがないか、
もっと切り込んでいくのが一番良いんです。
まぁ、北部だろうと政治屋政治屋なんですよねー
みなさん、イタリアの政治を見てると、
過度で醜い自民おろしが酷い日本の政治なんて、いやー可愛いもんですよ(笑)

 

ちなみにコレ、全部私のスーパーデキるイタリア人同僚の受け売りです。
なるほどなぁ、と感心したので、情報の整理がてらに書きました。

 

もう一つ、オチをつけておくと、
今回の投票は先進的にもタブレットを使用したのですが、
この整備に23万ユーロ*1投資したんですって。

にも関わらず、一部のタブレットが機能しなかったらしく、
開票作業、撤収作業を行う人たちからは大ブーイング。余計な仕事が増えたって。

こんなんでもイタリア北部。
南部に住む日本人からは「ミラノはイタリアじゃない(いい意味で)」と言われてる、
まだマシな地域ですよ、まったく。

ちなみにビックリしたのが、
日本と同じくイタリアでも公立小学校が投票所になっていますが、
投票は23時までなので、自然撤収作業が月曜日となり、
月曜日は投票所にされてる学校の先生、生徒達はお休みです。
それで教員はサラリーが安いって文句つけてるんだもん、一体何故なのか。

 

さて、次回以降になりますが、また下記について書きます。
ではでは。

2) 最近の忙しさについて

3)  CS最終ステージのカープの弱さについて

 

おっと、ちなみに写真はトスカーナ州です、北部も南部も一切関係ありません。

*1:約3,000万円くらい