Two for the Road いつもふたりで

"Due per la strada" --- ミラノに住むふたり、橘凛夫婦が、徒然とイタリア生活やヨーロッパの綺麗な風景、旅行記を綴ります。

「道は開ける」#今だから話せること

特別お題「今だから話せること

もう結構前のことになってきましたが、
「渡欧したこと」です。

私達は、今でこそ、家族単位でいるので、妻である私は、
夫に帯同してやってきた女性だと思われがちです。
まあそれはそれで良いかと思ってますが、本来は、それぞれが別々の目的で、
仕事という大義名分を持って、イタリアに渡って来ました。

なので、実際に知り合ったのはしばらく経ってからのことで、
渡伊当時はお互いのことは知りません。

当時の私は20代後半に差し掛かり始めた女性だったもので、
渡欧に関しては、そりゃあとにかく周りにいろいろ言われました。

そんな歳から海外に出て、結婚や子供はどうするつもりだとか、
人生計画、ちゃんと考えてるのかとか、
そのうち(結婚のために)帰ってくるんでしょとか、
イタリアの滞在許可は難しいから取れっこないとか、
現地法人の設立なんて無謀じゃないかとか、

自分自身の心の声よりも、周囲のそんな声に押し潰さそうになったこともあります。
心配してくれていたんでしょうが、内心、ダメージ喰らいまくってました。。

見た目にはわからなかったかと思いますが、いつも不安で先が見えなくて、
どこかうっすらと孤独を感じていました。
特に、明け方にふと目覚めてしまう、早朝覚醒が辛くて辛くて。
明け方の薄暗闇のなかで、考えても何もならないことを悶々と悩み込み、
28歳を越えてくると、このまま狂死するのではないかと思ったことすらありました。

ただ、私には、なぜかいつも「道は開ける」という言葉が胸にありました。
カーネギーの本を読んでいたわけではないのですが、私を勇気づけてくれる、
おまじないのような言葉でした。

後先考えずに行動する直感型なのは生まれつきで、なかなか変わりそうにないですが、

人生、まずは行動することによってすべて道が開けてきたという実感はあります。

未来がこんなふうになると予見していたことはほとんどないけれど、

ずっと就労ビザで更新していたイタリア滞在許可は、
昨年ついに長期滞在許可証(永住権のようなもの)に変更できました。

ミラノで知り合った夫と結婚し、現地法人もありがたいことに続いています。

どれも一朝一夕ではなかったけど。

長期滞在許可なんて、取得するのに数年がかりで、何度も何度も、
役所や警察署、裁判所などのアポに足を運ぶことになりました。。

今は子育てやらで、新たな小さな局面がいくつか訪れてますが、
「こういう風にやってみたらできるかも知れない」というデータベースが、
自分のなかで増えていっている気がするので、何とか乗り越えていこうと思っています。

若いときにはまだ少なかった経験が、少しずつ蓄積されていっているのかも知れません。

30代だけど、長く生きるのも良いものだなって、最近思い始めています。